本日は、この会津坂下町で、全国から多数の皆様をお迎えし、「地域住宅計画全国シンポジウム2009会津坂下大会」が開催できますことを誠に光栄に存じますと同時に、皆様を心から歓迎申し上げます。
昨年、京都市で開催されました「シンポジウム」において「地域住宅計画」の前身である「HOPE計画が25周年」を迎えました。
HOPE計画は、昭和58年に創設され地域の持つ景観、自然、伝統、文化、産業などの特性を生かしながら将来に継承し得る質の高い居住空間整備のための計画として位置づけられており、今日までの取り組みは、住生活の向上と安定に力と情熱を注ぐ関係者の皆様により、地域の特性を生かした住環境の下に、我が国の住宅政策の新たなる道筋を築いてきたところであります。しかしながら、地方では、人口減少や高齢化が進み、人々の価値観も変化し真に豊かさを実感できる住まいづくりが難しくなってきている状況であります。このような状況の中で、ぜひ新たな展望を見出すべく、本大会にご参集の皆様におかれましては、大いに議論を交わしていただきたいと思っております。
それではここで、当会津坂下町の概要について簡単に、ご紹介申し上げます。我が町は、福島県の西、会津地方の西北部に位置しており白虎隊や鶴ヶ城で有名な「会津若松市」に隣接する人口1万8千人、農業を基幹産業とする自然豊かな町であります。
地勢的には、町の北部で会津盆地を流れるすべての河川が合流し日本海へと注ぎ、旧越後街道が町を縦断しており、いにしえより水陸交通の要衝として発展してまいりました。
また、それらの条件の良さから、古くから文化が開け、特に国指定の史跡であります東北地方第二の規模を誇る前方後円墳の存在や仏教伝来、奥州平泉の藤原氏と並ぶ統治者の存在が、数々の発掘等により確認されつつあります。来訪者も多数訪れており、町でも保存管理に努めているところであります。
著名人では、国民的歌手でありました故春日八郎先生も我町の出身でありまして、記念公園やブロンズ像の整備、また全国カラオケ大会の開催などを行っております。
ほかに、「会津の冬」などの名作を残した世界的な版画家でもあります「斎藤清画伯」や「森進一のおふくろさん」など数々の名曲を残した昭和の名作曲家「猪俣公章先生」の生誕の地でもあります。
町の気候は、日本海側内陸性に属しており、寒暖の差が大変大きく四季の移り変りがはっきりとしており、肥沃な盆地のため良質米コシヒカリの一大産地としても認知されております。さらに、肉牛、リンゴ、見知らず柿、アスパラガス、そば等の生産が盛んでありますとともに馬刺しでは、九州・長野に次いでメジャーに成りつつあります。
産業は、古来より旧越後街道の宿場町であったことから、醸造業が発達し、うまい清酒、味噌、醤油の製造が盛んであります。今夜は、このうまい清酒と馬刺しを準備させていただきました。明日は、挽きたて・打ちたて・湯でたて・の3たてによるおいしいそばを存分に味わっていただきたいと思います。
さて、当町の地域住宅計画の事業概要でありますが、「塔寺・気多宮地区」を街並み環境整備事業により整備中であります。この地区は、古くから越後街道の宿場町として栄え、物資の輸送基地であったところであります。地区内には、当時の風情を残す家並みが多数残っており、国県指定の重要文化財や社寺仏閣など歴史的遺産に恵まれている地区であります。しかし、建替えによる古い面影の景観がなくなりつつあるため、修景の助成をし、街並みの保存に努めているところであります。また、宿場町としての魅力を創出するための憩いの場や歩行空間の整備を図っているところであります。公営住宅整備事業におきましては、中岩田地区において、住宅マスタープランで目標としている会津坂下型住宅としての景観に配慮した町営住宅の整備を進めており、平成22年度には、建替整備計画であります8棟50戸の整備を完了いたします。
本大会では、「住まいづくりで活力ある地域に」をテーマに、まち歩きやワークショップを通しながら、本大会で得られる成果を、大いに生かしてまいりたいと考えております。今後とも、地方における活力の向上に対して一石を投じていただければ幸いに存じます。
結びに、ご参加いただきました皆様にとりまして本大会が実り多いものとなりますとともに、皆様方のますますのご活躍とご健勝をご祈念申し上げまして歓迎のごあいさつといたします。
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