HOPE計画創設25周年記念
地域住宅計画全国シンポジウム2008 京都大会


姉小路界隈、三条通エリア

【 まちの特徴】
 姉小路界隈地区は京都の都心にあって、様々な業種の老舗と小さな商店や町家が中低層の良好な街並みを保持しています。平成16年度から街並み環境整備事実により京町家の再生を開始し、現在まで 7件の事業が完成しています。また、オリジナルなイベントの企画・実施・継続、町式日の制定・建築協定の締結、対立から価値の共有を実現した地域共生の土地利用検討会の取組なども含めた、ソフトからハード面まで多方面な活動により、平成18年度の「地域住宅計画賞(まちづくり活動部門)」を受賞しました。
 三条通は江戸時代、東海道の整備とともに京の玄関口として賑わってきました。現在の三条通りは、衣料品店や画廊、喫茶店などによって「文化の通り」としてのイメージが定着しています。特に近代建築 (日本では西洋の建築様式や技術が伝わった幕末期以降の建築物で洋風の意匠を取り入れたものを指すことが多い)が数多く存在し、赤レンガなどの外観を保存し、内部を現代風に使いやすく改装した事例なども見られます。

●アーバネックス三条
 計画段階から開発業者・地元住民の協議を通じ実現した地域共生型マンションです。地元住民との協議の結果、当初計画 1 1階から 8階へ、容積率は 400%から 250%へダウンサイジングされました。採光や通風への工夫、坪庭や町家をイメージした空間構成、屋上菜園や地域との交流スペース等が採り入れられています。

●街なみ環境整備事業
 姉小路界隈地区の様々な活動及び建築協定の締結や成果を踏まえ、京町家との調和したまちなみを創造し、地域の魅力や活力を高めることを目的に、「街なみ環境整備事業の導入が決定されました。平成 16年からこれまで 7軒の京町家が再生され、事業は現在も継続されています。


●ガス燈
 姉小路界隈町式目および建築協定の締結と、アーバネックス三条の完成を記念して、平成 14年8月にガス燈が設置されました。京都のガス事業の発祥の地で、平成の町衆のまちづくりの取組みを後世に伝えたいとの思いから、界隈の有志の出資で実現しました。

●京都文化博物館別館
 旧日本銀行京都支店。明治 39年竣工のレンガ造り 2階建。赤レンガの躯体に白い石の帯でラインを付けるというスタイルで建てられています。建築家辰野金吾の代表的明治建築。重要文化財。

●アートコンプレックス 1928
 旧毎日新聞京都支局。昭和 3年竣工の鉄筋コンクリート造。設計は武田五一。正面外観の水平ルーバーと 3階バルコニーのデザインなどにアールデコの影響が見られます。現在はギャラリー、貸ホール、FM放送局、飲食店舗等が入り、複合的にアートを体験できる空間となっています。